麻の歴史と種類


ラミー畑

◇麻の歴史

◇麻の種類 ラミーVSリネン

 麻の歴史

麻の歴史は非常に古く、紀元前10,000年にエジプトでは既に麻が栽培され、麻布が造られていました。 紀元前2,000年にはエジプト王の墓に、麻栽培についての壁画もあり、またエジプトのミイラが麻布で包まれていることも確認されています。 19世紀頃には、全繊維消費量の1/3位を麻が占めていたようです。 日本では、飛鳥・奈良時代に、特にラミー(苧麻[ちょま])が衣料として愛用されていたことが日本書紀等にも記されています。

この様に、人類と共に、生まれた麻は、現在では、小千谷縮・近江麻縮・能登上布等の最高級着尺地から、カジュアル感覚の麻混織物およびニット分野に至るまで、さらには新幹線のモタレカバー、ユニフォーム分野等、深く、且つ広範囲にその用途を拡大しつつあります。

麻は、人類と共に生まれ人類と共に生き続ける天然繊維-おそらく最も長い歴史と生命をもっているといえましょう。

 麻の種類

麻という言葉は、一口には表現しにくい言葉です。というのも、英語においては、日本語でいう総括的な「麻」という語は無く、Ramie=「苧麻」・Linen=「亜麻」・Hemp=「大麻」・Jute=「黄麻」などに区別されています。

麻の種類は、約20種類以上になりますが、「別表」のように代表的なものだけでも、相当な数があります。このうち衣料用としては、ラミーとリネンが代表的です。家庭用品品質表示法においても、麻という統一文字を使用できるのは、ラミーとリネンに限ると明示されています。ロープ用としては、マニラ麻、サイザル麻、黄麻、大麻等があります。

 別表
名称 種別 短繊維長mm
太さμm
主な産地 用途
苧麻
(ちょま)
Ramie ラミー
からむし、まお
蕁草科
(イラクサカ)
(多年生)
70~250mm
18~30μm
中国、フィリピン、マレーシア、ブラジル 衣料、寝装、資材
亜麻
(あま)
Flax、Linen リネン 亜麻科
(アマカ)
(一年生)
20~30mm
15~19μm
中国、ベルギー 衣料、寝装、資材
マニラ麻 Abaca アバカ 芭蕉科
(バショウカ)
(多年生)
3~10mm
10~20μm
フィリピン ロープ、帽子、ひも
サイザル麻 henequen ヘネケン 石蒜科
(セキサンカ)
(多年生)
3~10mm
10~20μm
フィリピン、メキシコ ロープ、ひも
黄麻
(こうま)
Jute ジュート 田麻科
(シナノキカ)
(一年生)
1~4mm
15~25μm
中国、インド、バングラディシュ 麻袋、カーペット基布、ヘッシャンクロス
大麻 Hemp ヘンプ 桑科
(クワカ) 
(一年生)
15~25mm
16~25μm
中国、フィリピン、イタリア 衣料、ロープ
ケナフ Kenaf  ケナフ 洋麻科
(ヨウマカ)
(一年生)
2~6mm タイ、インド、中国 壁材 、パルプ代用品

 ラミーVSリネン
ラミー(苧麻)とは? リネン(亜麻)とは?
ラミーは多年生の植物で、50日間で1.5~2.0mまで成長。温帯では年に2~3回、熱帯では4~6回の収穫ができるほどのたくましさです。 リネンは一年生の亜麻科の植物です.
ラミーに比べ、比較的涼しい地方で栽培され、約1年で80cmくらいに成長。淡い紫色をしたかわいらしい五弁の花を咲かせることでも知られています。 また、リネンは紡績工程の途中の段階迄は「フラックス」と呼ばれます。


◇ラミー&リネンそれぞれの類似性と相違点◇
ラミー(苧麻) リネン(亜麻)
繊維の特徴 ●天然繊維の中では、最もシャリ感がある
●涼感があり、腰がある
●水分の吸収・発散性に優れている
●色は白く、絹のような光沢がある
●強力は、天然繊維の中ではもっとも強い
●風合いはしなやかで綿に近い
●涼感は、ラミーに次ぐ
●水分の吸収・発散性は、ラミーに次ぐ
●色はリネン特有の黄味がかった色(亜麻色)がある。白度、光沢はラミーに次ぐ
●強力は、ラミーに次ぐ
繊維の外観 ●断面は円筒状または扁平
●表面に凹凸はなく、タテに亀裂、関節状節がある
●先端に従い細くなり先端の部分には丸みを帯びている
●均整のとれた円筒状で、断面は5・6角形
●表面はところどころに節があり、横や斜めに走る亀裂状のスジがある
繊維の長さ&太さ ●繊維の長さは20~250mmとまちまち
●太さもまちまち。平均的には太いほうで、麻らしいシャリ感を与えることに役立っている
●繊維は短く、20~30mmくらい
●太さは、ラミーの平均の約半分と細く、しなやかさのモトになっている