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麻の四方山話

麻の四方山話、麻について色々と語ってゆきます。

青丹寸手

青丹寸手(アオニギテ)とは古事記の「天の岩屋」に出てくる言葉で、「麻の繊維で織った布のぬさ」のこととされています。天照大神が天の岩屋へお入りになってしまって、高天原も下界の地の上も、世の中はまっ暗がりになり、長いやみの世界になりました。その時八百よろずの神々が集まって、ニワトリをあつめて鳴かせたり、色々と手をつくしたことはご承知のとおりですが、その時、天香山から根こそぎ取って来た榊の枝に、上枝には ヤサカノマガタマ  中枝には ヤマタノカガミ 下枝には 白丹寸手、青丹寸手 を吊り下げて、のりとをあげたとされています。白丹寸手(シラニギテ)は楮の樹皮の繊維で織った布のぬさ、青丹寸手(アオニギテ)は麻のぬさと伝えらえています。 

麻という文字

麻という字は小屋の中で麻の剝皮をしているところで、“广(まだれ)”は庵・庫などの字にも含まれ簡素な小屋ふうの建物をあらわしています.“林”は山林ではなく,小屋で人が麻を水に浸しごしごしもみほぐし剥皮を行っている姿を表しているのです。

へそくり

へそくりと言うと現在ではへそくり銭を意味するようでありますが、本来語源は「綜麻繰る」ことでした。すなわち麻を刈り取って、これから麻苧を績む作業をして、そのつむいだ糸をつなぎ、さらに環状に幾重にも巻くことを「綜麻繰る」と言うのです。またその形を「綜麻形」と言います。

万葉の昔から家庭内の衣料については、麻の刈り取りから、麻糸の紡出、布の製織まで女性の手に委ねられていた事実、さらには調布、庸布のように、朝廷に献上する布、税金として上納しなければならない布、これらも一切女性が働いてつくり出さねばならなかったという事、これらのきびしい労働によく耐えててきたこと等々を思うなら、多少のへそくりがあっても然るべきかと考えます。ラミノのロゴである麻の文字にある意味を考え、ロゴとしています。

越後布

越後で生産された麻布で、現在残っている最古のものは正倉院に保存されている庸布(成年男子が、年間10日間の労働の代わりに、国に納める税としての麻布)があります
その布には越後国久疋郡夷守郷(クビキグンヒダモリ)頸城郡美守村で
そこの肥砦人麻呂(ヒキノヒトマロ)という者が天平勝宝年間(749年~757年)に納めた庸布1反とあります